• ホーム
  • 断熱材だけは安いものを選んではいけない!

断熱材だけは安いものを選んではいけない!

2019年11月27日
色々な家

日本は高温多湿な夏場を凌ぐために、伝統的に木造住宅がメインで建築されてきました。気候風土にマッチした構造であるだけに長持ちすると思いきや、世界的にみると日本の住宅は欧米などに比較すると寿命は非常に短い傾向が見られます。一般的な木造住宅が中心の日本家屋の寿命は概ね30年ほど、これに対して欧米では50年以上が普通です。これは日本に比較すると地震が少なく、建築資材も石など数百年以上の耐久力をもつ素材が使用される機会が多いという事情もありますが、日本特有の事情として湿気が篭る影響で寿命を縮めることが多いとされています。マイホームを湿気の影響から守るために、断熱材が使用されていますが、ここに問題があるわけです。マイホームを湿気から守る断熱材と、家の寿命の関係について考えてみましょう。

そもそも日本の住居において断熱材が多用されているのは、日本の家は湿気の影響で腐りやすいことが関係しています。家の建築資材などが腐るのは湿気による腐食やカビの発生が原因です。直接的に影響しているのは壁面内部で発生している、結露です。空気中の湿気が十分壁面と遮断されていないために、壁面内部に水分が到着し内部から木材なども腐るだけでなく、周辺ではカビを発生させてさらに強度を低めます。壁面が水分から保護されていないために寿命を縮めるのは、断熱材が十分に機能していないからです。

そもそも断熱材が外気からの熱の作用を遮断するのは、素材内部に空気の層を形成することによります。窓ガラスを二重にすると断熱性能が向上しますが、これはガラス同士の間に空気の層が出来るからです。空気の層がつくられるおかげで熱が通過しにくくなるわけです。

ところがマイホームの予算を削減するために、断熱材の費用を抑えると安価で断熱性能に疑問符がつく素材が使用される場合があります。値段が安く人気もある断熱素材には、グラスウールがあります。これはガラス材を主原料にして繊維状に加工されたものです。スペックもロックウールやセルロースファイバーなどとほぼ同じです。セルロースなどに比べると値段が安いので、費用を削減することもにもつながるので、コストパフォーマンスが高いと評価できそうです。しかしグラスウールは湿気に非常に脆弱で水分を取り入れてしまうと断熱性能は大きく損なわれます。

同じ繊維系の断熱材のロックウールやセルロースファイバーなどは費用が嵩むのは確かですが、堅牢で調湿作用をもつことから、断熱性能の面では優れているのは確かです。